今日は、ゆだ屋の店主が推奨するドイツ生まれのメリタのドリッパーでのハンドドリップのコツについて説明させて頂きます。因みにメリタのドリッパーと云っても種類が複数個ありますが私がお勧めしている物はアロマフィルターと云うタイプの物になります。
さてこのメリタ。100年の歴史を持つメーカーですが、その長い歴史はドリッパーの歴史でもあるようです。
先ずは、ペーパードリップの先駆者であると云うことから始まり其処からはいかに誰でも簡単に美味しい珈琲を淹れられるかの研究に余念がなかったようです。そのドリッパーの歴史を調べると、今現在の市場で良く目にするドリッパーについても何かしら答えが見つかるかもしれません。(現実に使ってみると良く解ります。)
それでは実際に淹れてみましょう。
用意する物は前回のデジタルハンドドリップ指南書。基礎情報編で書いた通りです。ドリッパーはこのタイプです。1×1です。この1×1とは最初の数字は1回の注湯ですよの意味でメリタのドリッパーはすべて最初は1の筈ですね?其の後の数字が杯数になります。この場合は1なので1杯。1回の注湯で1杯分が淹れられますよってことです。と云うことは1×2では2杯、1×4では4杯です。
では、お湯を沸かしている間に紙を準備します。
リブの部分を手前、向こう側に折ります。
因みに1杯点ては13g=130cc抽出。
2杯点ては20g=260cc抽出です。
挽き具合は中挽きです。
目あすはこんな具合でお願いします。ミルの調整は1段替えるだけでもかなり味が変わるのでベストポジションを見つけてみるのも楽しいですよ。
それではお湯が沸いたのでドリップケトルにお湯を移して、湯温の確認です。
撮影に手間取っていたら温度がみるみる下がってしまいました(笑)。そんな時はドリップケトルを火に掛けて温度を上げましょう。因みに今回は湯温90℃です。その理由は・・・。
先ずはその前に蒸らしましょうか?
約10秒で注湯を終えて下さい。この時重要なのは粉全体に満遍なくしっかりとお湯をかけてゆくことです。蒸らし中、多少ドリッパーに抽出液が落ちても気にしないことです。何故かと云えば粉全体にしっかりたっぷり湿りをくれてあげることで粉1粒1粒にお湯が行きわたりその繊維がしっかりと緩むからです。そうすることで、抽出に入った時にしっかりと旨味成分を余すところなく抽出出来るんですねぇ。
そうして10秒で蒸らしの注湯が終わったら、ここからが本当の蒸らしです。50秒待ってください。注湯が15秒ならば45秒です。トータルで1分。「えっ?」と思う方は非常に多いと思いますが本当です(笑)。蒸らしが長いと雑味などが出るなんて言う場合はそれはもう焙煎や仕入れが不可なだけです。蒸らし10秒20秒でおしまいもいけません。折角の美味しい成分が出しきれません。
焙煎後、2週間ちょっと位の間の豆を使うと蒸らし後半で粉に変化が見られます。
ふつふつと空気の抜ける穴が開いているのが解るでしょうか?これが実は珈琲粉の出してくれている「蒸らしが終わりましたぜ~」って云う合図なんです(笑)。さて、この蒸らしで1分かかると云うことはその間に確実に湯温は下がってしまいますので最初の温度を90℃にしたわけです。これで、抽出の時にはおおよそ85℃付近の筈です。
ここからがようやく抽出です。お待たせしました。
中心に向かって膨らんだ粉を崩さないよに一気にお湯を注いでいきましょう。ドリッパーの淵まで。
後はもう、ひたすら待つのみ。ドリッパーが勝手に抽出時間をコントロールしてくれます。これがこのメリタのアロマフィルターの優れているところです。
130cc抽出完了です。ストップウォッチを見ると2分です。と云うことは蒸らしで1分、抽出1分の合わせで2分ですね?これが1杯点ての抽出時間の基準です。
この抽出時間がハンドドリップでは肝になり淹れる人、器具により時間がバラバラになることで味が安定しないのです。
ところがハンドドリップでもメリタのアロマフィルターを使えばセミオートですので、常に抽出時間を揃えることが出来、味のブレを最小限に抑えられるんですねぇ。
と云うことで、長くなりましたがデジタルハンドドリップ指南書。メリタ編、これにて。
次回は、更に高みを目指したい方必見。味100点を目指すドリップです。